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気管切開を決断するまで②【声門閉鎖術による気管切開 セカンドオピニオン】

前回の続きです。

前回の記事を読む方はこちら↓

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気管切開を決断するまで

2017年4月 主治医から声門閉鎖術をすすめられる

主治医の先生はこの頃

「めいちゃんにとって気管切開がいいのか、NPPV(マスク使用の呼吸器。前回記事参照)で頑張るのがいいのか、僕もどちらがいいのか正直わからない。お母さんが気管切開を避けたいなら僕たちはこのまま家に連れて帰ってあげられる状況をNPPVを使う方向で考えるし、気管切開をしてあげたいというのならそれを応援するよ」

と言ってくれていて、つまり、それくらい微妙な状況で、気管切開かNPPV続行か、意見は人により真っ二つ。

 

NPPVの試行錯誤を繰り返しだんだんと策も尽きはじめ、それでもめいの体調は一向に良くなりませんでした。

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青白い顔をして眠ってばかりで笑顔もなかった。

 

そんな中、私から主治医の先生に

「もう気管切開を考えた方がいい気がしてきました」

と半分弱音のような、半分決意のような言葉を吐きました。

 

そんな私の言葉の後に先生からすすめられたのはその頃病院でまだひとりも例のなかった声門閉鎖による気管切開術による気管切開でした。

 

声門閉鎖手術についてはこちら↓

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 先生の話した内容はこうでした。

中枢性無呼吸の多くは一度症状が出始めると治らないこと。

呼吸器とは今後ずっと付き合うことになるであろうということ。

めいが気管切開をするなら誤嚥防止術を同時にしてしまった方がよいこと。

喉頭気管分離と比較した声門閉鎖術のメリット。

声門閉鎖術による気管切開は二度と閉じることができないこと。

 

そして、声門鎖術を実際に執刀する先生のいる病院へのセカンドオピニオンを提案してくれました。

 

2017年5月 1日退院 セカンドオピニオンへ

一日限りの退院をし、旦那は仕事を休み、めいを連れて三人で県外の病院へセカンドオピニオンへ向かいました。

 

待っている間、もしかしたらここの先生は

「気管切開までしなくてもいいんじゃないですか」

なんて言ってくれないだろうか、と考えたりもしていました。

 

順番が来て診察室に呼ばれ、初めて会う優しそうな先生に少しほっとしました。

疑問に思っていたこと、手術のことで詳しく聞きたかったことを聞いたあと、元の病院でスタッフさん達の間で気管切開かNPPV続行かで意見が割れていることを伝え、先生はどう思いますか?と尋ねました。

すると、先生は優しくはっきりと、

「手術をした方がいいと思います。」

と言いました。

 

「今後肺炎などを繰り返し肺にダメージが残ってから気管切開をするのと、まだ余力のあるうちに気管切開をするのと、予後がまったく違います。

急変し、いよいよだめだという時に緊急的にする気管切開と、今やる気管切開とは気管切開孔の状態も大きく変わります。

今決断されるということは、めいちゃんにとってプラスになることだと思います。

けれど、今決めなくてはならないわけではないし、やらないという選択肢ももちろんある。おうちに持ち帰ってゆっくりご家族で話し合って考えてみてください。」

 

受診後その日は一日だけ外泊するためめいを連れて家に帰りました。

MEさんから教えてもらった通りに、めいに鼻マスクとキッチンペーパーを装着し寝かしつけました。

やっぱり時間がかかって、なかなかうまくいかず、つけ終わりめいを寝かしつけたあと私もぐったりでした。

 

めいを寝かしつけた後、旦那と話し合いました。

旦那は

「俺の正直な気持ちとしては、気管切開は避けられるなら避けたい。NPPVでいいなら粘りたい。だけど、手術をした方がめいにとっていいだろうことはわかる。少し考えさせてほしい」

と言いました。

 

まだ揺れ動く父親の気持ち

私は、この日のセカンドオピニオンでの先生お話により、この時もう気管切開をする方向で腹を括っていましたが、旦那はまだ心がついていかないようでした。

 

無理もありません。

毎日病院へ通い、先生やMEさんや看護師さんたちと毎日少しずつ日々のめいの様子について話し、同じような状況で子供が入院中の母たちとああでもないこうでもない、と弱音や愚痴を吐き、時にはめそめそ泣いたり励ましあったりしながら絶えず向き合い続けてきて、少しずつ心づもりができてきた私と、毎日仕事に追われめいの状況は私からの伝聞のみ、週末に病院へ会いに行っても寝ている姿しか見ることのできない旦那とでは、受け入れる速度に違いがあっても仕方がないと思いました。

旦那が決意するまでの間、何も言わずに待つことにしました。

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父の添い寝で眠るめい。

旦那はしばらく考える、といった間、私に弱音を吐くでもなく、相談をしてくることもありませんでした。ずっと、自分の中で静かに考えているようでした。

 

しばらく経ち、旦那から

「手術、お願いしようか」

と、私に決意の言葉がかけられました。

 

大好きなかわいい声を失うことも、これまで通りにできなくなることも受け止めて、家族みんなで笑って一緒に生きていくために、手術を決めました。