ここ1年ほどめいの体調維持の大きな壁になっている呑気性。
めいが飲み込む空気の量があまりにも多過ぎることと、呑気症以外の原因も足を引っ張り合い対策が追いつき切っていないところはあるのですが、ひとつひとつの対策としては一定の効果があると思われるので具体例などについてまとめておこうと思います。
この一年積み上げてきたことのすべてです。
呑気性(空気嚥下症)とは?
呑気症とは、無意識に大量の空気を呑み込 むことによって、胃や食道、腸に空気がたまり、その結果、ゲップやお腹の張り、おならが頻繁にでる症状。空気嚥下症ともいいます。
引用元: http://clinic-1.jp/web/sanko-clinic/files/QA吞気症とは.pdf
めいの場合は呼吸状態の改善のために行った声門閉鎖術のあとからだんだんと空気を飲み込むようになり、去年イレウス(腸閉塞)を繰り返したことで発覚しました。
(声門閉鎖術や喉頭気管分離術、誤嚥防止術のデメリットとして空気の飲み込みが増えることがよく挙げられるようです)
イレウスの原因が呑気症だと発覚した時の記事はこちら↓
声門閉鎖術についてはこちら ↓
めいの呑気性対策
※めいの場合、の個人的な体験談です。参考される場合には必ずご自身の主治医にご相談ください。
実際にやったこととその効果
- 処方薬内服→△
- 姿勢管理→△
- STの介入、嚥下状態の評価→○
- 胃ろうからのエア抜き(シリンジでの脱気、胃ろう持続開放)→◎
- 1日2回の浣腸と、適宜ネラトンチューブによるガス抜き→◎
- ビフィズス菌末→×
- 強力わかもと→◎
以下に各項目の詳細を書いていきます。
処方薬内服→△
- 大建中湯(お腹を動かしガスの排出を促す)→△継続
- ガスコン(お腹に溜まった空気、ガスを少なくする)→△継続
- プリンペラン(呑気量を抑える)→× 中止
- 補中益気湯(お腹を動かす)→?継続
姿勢管理→◎
うつ伏せ姿勢だと腸の動きがガスの出が良くなり、また、めいの場合は空気の嚥下量も抑えられている様子なので毎日継続してうつ伏せ姿勢をとる時間を確保するようにしています。側弯予防にも。
後述の胃ろう開放中の空気の抜けの観点からいくと最も抜けがいいのはフラットな仰向けで、車椅子に乗ると抜けが悪くなるので車移動中は車椅子のリクライニングを完全に倒しています。他移動中や授業中などもこまめにリクライニングを倒し都度脱気します。
ちなみに開放した状態で車椅子のリクライニングをめいっぱい倒し、本人の腕をぎゅーっと上に伸ばして伸びを促すと腹圧で脱気できます。
STの介入、嚥下状態の評価→○
造影剤を使っての嚥下の検査を行い、摂食時の嚥下の様子、空気嚥下の様子を観察し、食事介助の適切な座位保持椅子の角度調整、食事の形状などなるべく余計な空気を飲み込みにくいアプローチの仕方をSTの先生に介入していただきアドバイスをもらいました。
現在も継続して定期的にSTに通っています。
胃ろうからのエア抜き(胃ろう持続開放+シリンジでの用手エア抜き)→◎
シリンジでのエア抜きだけで追いつかなくなり、24時間胃ろうを解放することにより自然に空気が抜けるようにしています。
注入ボトルに、ホームセンターなどで買えるビニールチューブをつけたお手製脱気ボトル。
このように。
吸引ホースの代替利用もできるビニールチューブ、お世話になっている薬局で販売してくださっているものを使用しています。
注入用の滴下チューブでは細すぎてそして長すぎて胃の内容物が逆流したものが空気の流れを遮りうまく脱気できませんでした。チューブはなるべく短く、そして太い方が空気の抜けがいいです。
チューブに、使用済みの胃ろうフィーディングチューブから取ったクランプ用の部品を流用し、クランプできるようにしています。
フィーディングチューブに繋いだところ。
この時、フィーディングチューブの側管にカテーテルジョイントをつけておき先ほどのクランプを閉めると、開放用ボトルの接続を外すことなく、注入も開放で空気が抜けきらない時に行うエア抜きもできます。
こんな感じ。
ちなみに、注入ボトルの根本はそのままビニールチューブがなくてもフィーディングチューブに接続することができます。(取り回しの観点からチューブをつけていますが)
平常時は胃の内容物が自然にお腹に戻るようにチューブの長さの許す限りの高さにボトルを吊るのですが、このように高さを低めにするとチューブ内に溜まった胃の内容物が自然に押し出されるので空気のぬけがよくなります。
その分未消化の内容物もガンガン出て行ってしまうので都度上げて胃に戻るようにしたり、チューブの中身をまめに胃に戻すようにしています。
使用後はボトルの中に洗剤とお湯を溜めてチューブ内満たしてクランプ、しばし放置でチューブ内もきれいに洗浄できます。
(追記)
注入中の胃内圧上昇対策の新兵器を紹介してもらいました。こちら↓
1日2回朝晩の浣腸とネラトンチューブによるガス抜き→◎
おしりからネラトンチューブを5cmほど入れてお腹をマッサージしてガス抜きします。風船のようにふくらんだお腹もガス抜きを丁寧にすればぺったんこに。ただし抜けが悪い時はやってもやっても終わらない。
ビフィズス菌末→×
腸内環境を整えようと試してみましたが、めいに効果のある菌に出会うことができなかったのか、あまり変化がみられませんでした。
人によって効果のある菌がそれぞれ違い、ピタッと合う菌がみつかればお腹の調子を整えるのに一役買うかもしれません。
強力わかもと→◎
めいの場合効果覿面だったのがこれ。
服用に至るまでの経緯など、わかもとについてくわしくはこちら↓
上記の記事のように夫とめいには効果覿面、私にはそこそこの効果でしたので、これも個人差は大きいかと思います。
が、自力でガスがしっかり出せるようになったこと、便通が整ったこと、ガス抜き時のガスの抜けがよくなったこと、浣腸後の便の出がよくなったことなど、めいにとってはいいことづくめでとにもかくにも毎日元気です。あ、夫も、相変わらず毎日お腹が軽いそうです。
めいは現在14歳、体重20キロほど、主治医のくま先生に相談して1回5錠1日3回服用中です。
あ、夫は9錠服用中です。41歳です←
まとめ
めいにとっての命綱三本柱は
- 胃ろう開放、用手エア抜き
- 浣腸、ガス抜き
- 強力わかもと
これに加えて主治医のくま先生と相談しながら処方薬内服、PTの先生と相談しながら姿勢管理、STの先生と相談しながら摂食訓練や嚥下など、各方面からアプローチしています。
なくなることのない症状ですが、色々な人の力を借りて、あれこれ試しながらどうにか付き合っていこうと思います。かかってこんかい。
色々しつつ、今日も元気でした!はなまる。