ぼくらはみんな生きていく

医療的ケア児の娘のこと。医療、福祉、母の頭の中のあれこれを書くブログ。

2022年3月11日 卒業の日に。

2022年3月11日、中学部卒業式。

2日前の入学選考後ぐったりでしっかり学校を休んだ前日を経て、なんとか元気にこの日を迎えることができた。

 

だいたいこの3月という時期はめいには苦手な時期ど真ん中で、これまで経験した卒園と卒業その2回とも直前に入院していて「式本番に間に合うのか…!?」とハラハラして結局なんとか間に合う、というくだりを思い出し、今年も少し前にあわや入院か、という突然のひどい嘔吐騒動があったことを思い返し、ああこれはそういうことやな、と。

 

ギリギリでなんとかなるあたり、強いんだか弱いんだかわからん子ではあるけれど、どうやら本番には強い。多分。

 

ギリギリといえば。

いつも何かとギリギリを生きる私にしては珍しく、1ヶ月ほど前にめいの卒業式の服を購入してしばらく眺めていた。

義務教育を終えるこの日を迎えることは私にとっても夫にとっても特別なことで、めいの通う学校には決まった制服はなく卒業式の服も自由なのだけど、やっぱり制服姿がしっくり来る気がして買ったグレーのブレザーとスカート、白いシャツにリボンをつけたその姿は想像していたよりもずっと大人に見えて、かわいくて、何度も何度も「かわいい」「似合う」「大人」と繰り返し褒めちぎった。親バカではないつもりでいたものの、これは立派な親バカである。

 

そうやってハラハラしたりウキウキしたりしみじみしたりしながら迎えた卒業式当日、あたたかな晴れの日。

少し早めに登校して「卒業式」の看板の前で撮った写真は3人ともにっこにこだった。

(時代もあって学校で撮った写真はSNS等への投稿は禁止。緩み切ったにっこにこの笑顔の3人は脳内で補完してもらうとして。)

 

来賓も在校生の参加もなかったけれど、その分シンプルでとてもあたたかな式だった。

こどもたちがそれぞれ中学生活で頑張ったことを発表しひとりひとり写真のスライドが流れた。

めいの頑張ったことは最近よく動くようになった手を使う活動ということで垂れ幕につけられた紐を引っ張るとそこには「学校だいすき」との文字が書かれていて、映し出されたスライドはくしゃくしゃの笑顔の写真ばかりだった。

卒業証書授与の時は担任の先生に車椅子を押してもらい校長先生の演台の前まで進み、校長先生がめいの車椅子の前に一歩進み屈んでしっかり顔をみつめて卒業証書を手渡して下さった。

退場の時には大あくびをしながら保護者席の前を通過して行って、なんだかもう、マイペースでたいへんよろしい。

 

感染対策のため式のあとは速やかに下校を、とアナウンスがあり、先生や友達と別れを惜しみつつ「ありがとう」と春にある嬉しい再会を楽しみに「またね!」と言葉を交わし、たくさんの荷物を担いで家路についた。

帰ってから親はサッサと着慣れないスーツやらを脱ぎ捨て家着に着替えたけど、めいの制服を脱がそうとして、なんだか惜しくて「入浴スタッフさん達に見てもらおうか!」と夕方の入浴までそのまますごすことにした。

夕方までの間何度も「かわいいな」「やっぱ似合うな」と褒めちぎりまた写真を撮りながら夫と

「こんなとこまで、きたね。大人になってきた。」

何度も話して噛み締めるみたいに、何度も何度もよろこびあった。

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みんなまた春にね、と、その前に合格発表で、また。

卒業おめでとう!