ぼくらはみんな生きていく

医療的ケア児の娘のこと。医療、福祉、母の頭の中のあれこれを書くブログ。

「学校看護師による特定行為以外の医行為の実施について」の前例報告をします

まずは嬉しい報告から聞いてください。

やりました!!

具体的になんのことか、ちょっと長くなるのですが、ひとつの前例として記録しておきたいのです。

 

まず、カニューレ挿入に関しては医師のみが行うことができる医行為として位置付けられ、学校看護師さんが行うことができるのは事故抜去時等の緊急時のカニューレ挿入に限る、というのが現在文部科学省から学校に向け公式に示されている状況です。

参考:看護師による気管カニューレの事故抜去等の緊急時における気管カニューレの再挿入について(周知)

https://www.mext.go.jp/content/20200525-mxt_tokubetu02-000007449_8.pdf

 

でも、おそらくこの中にめいのような永久気管孔のケースは想定されていないと思われます。めいは永久気管孔という閉じない気管切開孔で、毎日日中はカニューレフリーで過ごし夜眠る前にカニューレを挿入する生活をしていますが、医療的ケア児の数の多い地域に暮らし周りに仲間の多い状況にあっても同じように暮らしている子達はほんの数人で、それぞれ少しずつ必要なケアの形が違ったりもして、とにかくレアケースなのです。

とはいえ、医療的ケアというものが

『治療行為としての医行為とは区別され、日常生活に必要な医療的な生活援助行為であり、保護者が医師より指導を受け家庭で行って いる行為』

だとするならば、めいのケアも素人の私が毎日実施している医療的ケアなわけです。

ふつうの気管切開のカニューレ挿入のように事故抜去時の緊急対応やカニューレ交換の時に行うのとはまったくちがう永久気管孔でのカニューレ挿入なのですが、それをどういう位置付けでとらえるのか、めいの周りでも対象者もそう多くなく特殊なケアだったこともあり、ずっと宙ぶらりんでした。

今年度になり、来年度高三の修学旅行に向けて校内で具体的に動き出した中、学校看護師さんが実施しても本当に良いのだろうか、と疑問の声が上がり、学校看護師さんがきちんと守られる形で正式にOKにしていくためにはどうすればいいか?という方向で、話し合いがはじまりました。

 

「学校看護師による特定行為以外の医行為の実施」実現まで

まず、ここでいう「特定行為」というのは喀痰吸引(鼻腔、口腔、気管カニューレ内)経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻)のことで、それ以外で家庭で医療的ケアとして行われている医行為を学校看護師さんが実施するために、今回どういうプロセスを辿ったのかを記します。

f:id:megumeimusic:20240401123616j:image

引用:文部科学省HP「学校における医療的ケアの現状と 学校に勤務する看護師の役割について」

 

 

検討段階での学校側の対応

・管理職と保護者の面談(並行して担任の先生や看護師さんとはしっかり度々話をしていました)

・事前宿泊学習への保護者同行、保護者によるケアの実施(ここで看護師さんや先生が実際のケアの流れを見て知ってもらう)

・学校医、指導医への相談

・繰り返し校内関係者(管理職、担任、看護師)での話し合い

 

参考文書

今回学校とお話しする上で、学校看護師さんがケア実施することにより不利益を被ることにならないように根拠にすべく参考とした文書データ2点を管理職の先生に提出し、共有しました。

 

「学校における医療的ケアの現状と 学校に勤務する看護師の役割について」

引用元:文部科学省HP

https://www.mext.go.jp/content/20200610-mxt_tokubetu02-000007673_01.pdf

【該当部分】

6、特定行為以外の医療的ケアを実施する場合の留意事項

 「医療的ケア運営協議会において全体的な方針を検討した上で、各学校において、主治医や教育委員会の委嘱した学校医・医療的ケア指導医や看護師等の助言を得つつ、個々の児童生徒等の状況に照らしてその安全性を考慮しながら、対応のあり方を検討する」

7、医療的ケア児に対する生活援助行為の「医行為」該当性の判断

f:id:megumeimusic:20240401123950j:image

 

「学校における医療行為の判断,解釈についての Q & A」

引用元:公益社団法人 日本小児科学会HP

https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20200701_sho124_6_P1054-1060.pdf

【該当部分】

Q28 その他このQ&A集に記載されていない医療的ケアについてどう考えたらよいのか?

「個々の行為ごとに、主治医、主治医以外の指導医や学校医、校長、教員、保護者、教育委員会の担当者などで話し合い、その対応を決めていく必要がある。その際にはそれが医療行為であるか、医学的に正しいか、安全であるかどうかが複数の医師によって確認されるとともに、児童の教育の機会を保障する方向で検討が進むべきであると考える。」

f:id:megumeimusic:20240401124030j:image

実施に向けて学校側からの提案

実施することがきまり、当日に向けて学校側から提案をうけたことは以下です。


・主治医との事前面談

・ケア実施時主治医とオンライン通話

・主治医による手順書作成

 

これらを主治医に相談しOKをもらい、現在提案に沿って修学旅行に向けて準備をすすめているところです。

 

おわりに

はじめてのことを今回実現させるべく心を寄せ、動いてくださったみなさんに心から感謝しています。そして、前例がないからと跳ね除けずこうしてひとつの「前例」をつくってくださったことを嬉しく思います。

医療的ケアがあってもなくても、すべてのこどもたちが安全に楽しく学校生活を送れますように

 

めい、元気に学校のみんなと修学旅行にいっておいで、笑顔の帰りをまっているよ!